もう内需拡大策に切り替えなきゃダメ
- 活性化コンサルタント・川原徹夫
- 2020年5月27日
- 読了時間: 4分
アベノミクスは外需優先政策、しかしその結果我が国は長いデフレ環境が定着して、労働者もまた長く低賃金のままを押し付けられてきました。外需優先、すなわちグローバル政策とは、日本企業が相手国で安く製品作って利益を出すビジネス。
その政策に従った日本企業の多くが海外に出てしまい、我が国の地方を疲弊させてしまったのです。
もちろんグローバル政策の全てが悪いとは申しませんが、グローバルの名のもとに我が国の政策は安さを求め過ぎたと言えます。自動車などは、海外生産車が逆輸入される形で販売までされていましたもの。
こんな方法で日本企業が利益を得たからと、日本という国の発展性などないんです。これらの政策を長く続けていたら、日本という国はイノベーションのチャンスを失くしてしまうと思うべきです。
ちなみに家電やパソコンなどの日本メーカーは、韓国や中国に取って代わられ、今やその分野が日本にあったことさえ忘れ去られているくらい。
テレビ番組で「日本の職人の凄さ」が紹介されておりますが、その気質・忍耐力、そんな日本人の持つ技術力を活かすことさえできない現在の日本。グローバル政策とは、日本の本当の良さを出し切れなくしてしまったとしか思えません。
その象徴的なお話が、コロナウィルスで露見した“マスク”問題。コロナウィルスから命を守るマスクだというのに、ここでも安かろう・良かろうの感覚でそのほとんどが中国から。
日本人の命守るのなら、そんな大事なもんこそ国産しなきゃダメでしょ、をコロナウィルスが教えてくれた。
今になっていろいろな企業が、わが社でも作れると言い出してる。だったら最初から作って下さいよ、の感じ致しますけど。気密性保持する製品生産技術ある他に、外装はデザイン的に着物生地などを使ったマスクなら高くても買ってもらえるのではないか。マスク全てが使い捨てではなく、中の気密性素材だけ替えられる製品化にすれば。
もはや外需一辺倒の政策を変更すべきです、だからとアメリカを初めとする世界の自国第一主義に烏合すべきなどとは申しません。ただ海外から買った方が安いからという理由だけで、自国では考えない・作らない、だけはやめてほしい。
そんな考えだから食料品も輸入品に依存し過ぎで、我が国の食料自給率は37%。その中には中国やアメリカからの危険な食材が多数、アメリカからの牛肉も成長促進ホルモン剤が危険と判断されて、アメリカ人さえ食べなくなっている事実。ヨーロッパではホルモン剤投与の牛肉は、輸入禁止なくらいです。
マスクばかりではなく、日本人の命を守る製品ぐらい国産志向すべきと思うのですが。
家電製品の全てが討ち死に状態のわが国にあって、あのアイリスオーヤマという会社はイノベーションを成功させて次々と新しい商品を開発・販売しています。この会社から、我が国の製造企業は学ぶべきと思うんです。
お隣韓国のように日本憎しで日本製品の不買運動までしなくても、国は国産品を買ってもらうことを国民に託すべきではないか。
今コロナウィルス被害によって危機に晒されている日本企業に、国は事業継続の支援をしようとしています。その一環として、国内製造企業の優遇対策を講じるべきです。
それはまさに内需拡大政策ですし、少々高くても売れる製品が生産できたら国内の賃金上昇につながるのです。もちろんその結果は地方経済を潤す地方創生政策として、地方を救うことになるのですから。
世界の流れは自国優先主義、こんな時代にグローバル思考していたら、広大な面積のアメリカ農業、10億を超える人口を有する中国の安値攻勢に日本人の安全が脅かされる。
アメリカや中国でも生産できる自動車輸出を進めたら、その反動が必ず来ます。その反動が日本人にとって危険を余儀なくされることになるのなら、もう自動車輸出は自重して良いとさえ思えます。
それより日本人の英知を集積して、まずは国内で売れる商品の開拓に注力する。そのヒントは、百円ショップに見ることができるんです。それらの商品のアイデア力は素晴らしい、ただそれらの商品が100円商品だから生産は中国へ?
ならばそれらの製品を国内製造に切り替えて、300~400円で売る。それが無理ではないと思えますのは、これもテレビでの100円商品海外紹介番組で、海外のほとんどの人たちは1000円以上の価値があることを口々に。
日本には中小企業がいっぱいあるんです、そんな企業に日本人のアイデア力と製造力を加味して、新たな国内産業の復活を期待しても良いと思うのですが。国はそんな分野にどんどん投資して、日本人の国民力を上げる努力をする。
その行動はまさに内需拡大、この時代の日本を強くする唯一無二の政策になると思えますから。

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