なぜこれからの地方で稼げるのか?
- 活性化コンサルタント・川原徹夫
- 2020年11月19日
- 読了時間: 5分
更新日:2020年11月20日
地方で農業をについてお伝えしておりますが、特にこれからは《有機野菜作りが稼げる》をご説明しています。それはある資料から、
「有機食品が日本の農産物の売上高に占める割合は1.5%で、アメリカは5.5%、フランスは7.7%、ドイツは10.4%。購入額で見るとアメリカ人は日本人の15倍、フランス人は13倍、スイス人に至っては34倍に上ります。
2017年で日本の有機農業の耕作面積は僅か1万ヘクタール(耕作地の0.2%)、国策として有機農業に力を入れているフランスでは200万ヘクタールが有機農業に使われている」。
とのこと。
まあ世界の流れがこのようだから、日本でもと考えるのは早計かもしれません。しかし近年、SDGs(持続可能な開発目標)では健康と食に関する世界的な問題定義が行われています。その中には全世界の温室効果ガス排出の18%が畜産業関連と言われ、代替え肉への転換が進められていること。
また農産物の残留農薬問題にオーガニックやヴィ―ガン、ヴェジタリアンなどに関心を持つ人が世界中で増加し、特にアスリートたちがその必要性を訴えるようになりました。
「イギリスではビーガンフードの92%は、実はビーガンでない人たちによって消費されており、ビーガン市場を牽引しているのは、実は多くのフレキシタリアンや肉の消費を抑えようという社会全体の動向」
なのだそうです。
この傾向は我が国でも特に女性の間でオーガニック商品の人気が高まり、オーガニック食材で料理を出すレストラン。さらにオーガニック食材を販売するスーパーが、このコロナ禍でも確実に集客を実現していることを確認できます。
その社会的な変化は従来からの農業は農薬農業と言え、常に消費者は残留農薬の危険を気にかけざるを得ませんでした。その反動から有機野菜農業が、これから増えていくと予想されているんです。
田舎に移住しその有機野菜作りを始めたわたくしには、それがなかなか骨の折れる仕事であることが判りました。まず畑を耕しましてたい肥に米ぬか、油粕に焼却灰、さらに牛糞・鶏糞を混ぜて有機土壌作りから。
種蒔き時になりますと、芽が出始めた時点で虫退治の仕事が加わります。朝起きての日課が虫退治を繰り返す。特に葉物は虫防ぎシートをかけませんと、虫の残した野菜食べなきゃならなくなってしまうものなんです。

まあ既存の農家がなぜ有機農法を取り入れないのかは、この面倒臭さが原因であること明らか。なぜって現在の一般的な農法で使われている農薬とは、殺虫剤や除草剤、防かび剤、殺鼠(さっそ)剤の他に各種の成長剤も含まれておりますから。

その結果として、残留農薬の問題がいつの時代にも取り上げられるんですね。まあ農家としたらなるべく手間暇かけないで、生産増やせればいいと考えるのが自然。でもその方法では全国一律の生産環境なので、価格も全国一律となり儲からない農業になってしまった。
他方今までの農業とは農協農業とも言えるもので、種から肥料、収穫・納入・販売まで農協に面倒をみてもらっていたもの。そこには生産者として、主張できる環境にはなかった。
そこで最近では減農薬栽培や有機栽培、さらに顔写真入り袋なんかで違いを演出して生産者から直接レストランや道の駅、消費者に届ける動きが出てきてる。その政策?が功を奏して、売上アップを実現しています。
この流れは一から十まで農協頼り、一律の生産業務から、自己主張が可能な生産方法でも生産・販売が可能になって、流通の無駄を省くことで正当な利益を出せるようになった。
長く続いた既存の農業とは、農協基本で進められてきた農業であったことと、旧き地方の農業環境が保守的であったために、新規就農者の敷居を高くしてまいりました。しかし今その旧き地方の農業環境が高齢化と後継者不足の状態になり、多くの地方は移住して就農してくれることを望まざるを得なくなっています。
以上のような環境に加えて、既存の農家は有機栽培農業に転換しにくい理由を抱えています。それは有機栽培法がこれからの時代の流れとは言え、その方法に切り替えるのは従来からの農業を否定することになるのですから。
しかし面白いのは、
「自分の家で食べる野菜はなるべく農薬使わないようにしている」
とおっしゃる農家の方がおられること。ならばそうやって野菜作ったら良いのにと思うのですが、そうやらないのは、有機栽培農法は今よりずっと面倒なことと理解しているから。
この状態とはこれから有機農法で農業に新規参入する人にとって、既存の農家は競争相手ではないと言うこと。ここにわたくしがこれからの地方はブルーオーシャンと、お伝えする理由があるんです。
市場は拡大傾向、耕作放棄地された農地もたくさんある状態。その上移住して、農業をしてもらいたいと全国の地方が望んでいる。この環境をあなたはどうお思いになるかを、一度じっくり考えて頂きたいんです。
こうお話したからと地方移住、農業開始が簡単にできるとはまでは・・・。それは移住するって現在の生活を否定すること、それに地方で農業を始めるには十分な準備が不可欠になります。そう言えますから、じっくり考える必要があるんです。
移住を考える、農業を始めるに付いての詳細は改めて詳しくお伝えする予定ですが、とにかく現在の生活が厳しく、これからもその厳しさが続くと予想したら、ぜひ地方移住・就農を考えてみて下さい。
次回は、これからの地方のブルーオーシャン状態は農業ばかりじゃありませんの巻をお伝えする予定です。
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